子どもたちの「わぁ!」が響いた夏休み――千里でつくった、雅楽との出会いの一日|夏休み子ども雅楽ワークショップ
千里のホームページをご覧いただきありがとうございます。
雅楽を愛する人たちが集まり活動している「雅楽愛好者衆 千里」は、令和8年8月2日、京都市東山の「安井金比羅宮」にて「夏休み子ども雅楽ワークショップ」を主催、開催しました。
京都市及び京都市教育委員会の後援を得、安井金比羅宮の全面協力のもと「子ども11名」「保護者11名」「9家族」が参加。京都市内だけでなく、大阪市、豊中市、茨木市など関西一円より、小学1年生から中学1年生まで、男の子も女の子も、初めて目にする雅楽に興味津々集まりました。
この日の私たち千里のメンバーは、子どもたちを迎える準備から、演奏、受付、誘導、撮影、楽器体験のサポートまで、一日を通してワークショップを支えました。
内容
まずは10時集合!子どもたちを迎える準備から
朝10時に集合したスタッフは手早く会場の準備を整えた後、子どもたちの前で行う「演奏鑑賞タイム」のリハーサルを行いました。
「笙」「篳篥」「龍笛」「鉦鼓」、
メンバーはそれぞれの担当楽器をどこで演奏するのか、立ち位置や動きなどを確認していきます。

そして、この日のもう一つの大切な準備が演奏時に着用する「狩衣(かりぎぬ)」「袴」など装束の確認。
今回、演奏鑑賞タイムに着用する狩衣を一枚一枚並べてみると、色も柄もさまざま。
狩衣の下に着る袴は、白か浅葱色(水色)。どの色の袴を合わせようか、狩衣との組み合わせを考えるのも楽しみの一つです。袴の色を先に決めてから狩衣を選ぶか、それともお気に入りの狩衣に合わせて袴を選ぶか……。そんな「楽しい悩み」が続きます。
千里は演奏会や発表会などのイベントや行事の際、狩衣などの装束を毎回「雅楽菊理
」からレンタルします。そのたびに「今回はどんな色柄にしよう?」と悩みますが、それも装束を身につける楽しみの一つです。
ずらりと並んだ美しい狩衣を前にすると、それだけでこれから始まる一日への期待が高まります。
全国から集まる千里の仲間たち
準備やリハーサルが一段落した11時、少し早めにお昼ご飯。みんなで楽しくお喋りしながらいただくお弁当も楽しみの一つです。

千里の雅楽教室は現在開催中の「京都」「芦屋」「愛知」「浜松」「静岡」の5会場と、お休み中の「湘南」「掛川」の2会場も含めてイベントや演奏発表会などには全国各地から仲間が集まります。
今回スタッフとして参加したメンバーも、浜松、愛知、京都、大阪から集まりました。雅楽を始めてまだ4ヶ月という人から、10年以上の経験を持つ人まで。そのため、イベントでは「初めまして」の人同士が一緒になることも少なくありません。
でも、みんなで同じテーブルを囲んでご飯を食べていると、いつの間にか会話が始まります。
「どこの教室ですか?」
「何年くらい雅楽を?」
そんな会話をしながら、少しずつ距離が縮まっていく。教室が違っても、住んでいる場所が違っても、雅楽を楽しむ仲間。そんなつながりを育て交流ができることも、千里の楽しさの一つです。

さあ、美味しいご飯を食べて、午後のワークショップも頑張ろう!
食事のあとは、それぞれ白衣と袴に着替えて、子どもたちを迎える準備を整えました。
12時40分、受付開始

12時40分、受付開始。
少し緊張した表情の子もいれば、楽しそうに会場へ入ってくる子も。どんな一日になるのかな。
私たちも子どもたちを迎えながら、わくわくしていました。
13時、夏休み子ども雅楽ワークショップがスタート!

さぁ13時になりました。ワークショップの始まりです。
最初は「雅楽の歴史や楽器」「衣装」についてのお話から。子どもにも雅楽が分かりやすいようにと、今回特別に編集したオリジナルのスライドを見ながら、講師の雅楽菊理が子どもたちにも分かりやすく雅楽の世界を紹介していきます。
普段はなかなか見ることのない雅楽の楽器や装束。
子どもたちはどんなふうに感じているのかな、と私たちも撮影しながら見守ります。
狩衣装束の着付けを鑑賞

「わぁ……!」
そして、演奏鑑賞の前に、もう一つのお楽しみ。
平安装束「狩衣」の着付け鑑賞です。
狩衣は現代では神社の神主さんが着ているのを見ることがありますが、元々は平安時代の男性貴族が日常着として着ていた装束です。雅楽は平安時代に最も盛んに演奏され、当時の男性貴族たちは教養の一つとして、雅楽の演奏をたしなんでいました。
そのため、雅楽を演奏するときには、当時の人々に思いを馳せながら、平安時代の男性貴族が身につけていた狩衣を着ることがあります。「雅楽愛好者衆 千里」でも、雅楽を演奏する際には狩衣を着用し、平安の時代に思いを馳せながら雅楽を楽しんでいます。
講師が千里のメンバーに次々と狩衣を着付けていきます。白衣と袴の状態から、少しずつ衣装が仕上がっていく。そして最後には、一人ひとり違う色や柄の狩衣姿に。
ふだん見る機会のない、美しい装束が次々と仕上がっていく様子を、子どもたちは目を輝かせながら見ていました。親子でじっと見つめている姿も印象的でした。
笙・篳篥・龍笛・鉦鼓で「越殿楽」

装束の準備が整ったところで、いよいよ演奏鑑賞。千里メンバーによる「笙」「篳篥」「龍笛」「鉦鼓」で奏でる「越殿楽(えてんらく)」を聴いていただきました。
目の前で響く、初めて聴く生の雅楽の音色。そして狩衣装束を身につけて演奏する姿。
「雅楽って、こんな音なんだ」
「こんなキレイな衣装で演奏するんだ」
子どもたちにとって、これまで遠くから見ていたかもしれない雅楽が、少し身近なものになった瞬間だったのではないでしょうか。
今度は、子どもたちが楽器に触れる番!

演奏を聴いたあとは、子どもたちが楽しみにしていた楽器体験です。
「笙」「篳篥」「龍笛」「鉦鼓」。
千里のメンバーは子どもたちが楽器に触れるのをサポートです。
おやおや、どうやら楽しんでいるのは子どもたちだけではないようで、一緒に参加されていたお父さんやお母さん、保護者の皆さんも熱心に楽器体験に取り組んでみえました。


初めて触れる雅楽の楽器。なかなか音が出なかったり、思いがけず音が出て驚いたり。
「あっ、音が出た!」
そんな瞬間に立ち会えるのは、私たちにとっても嬉しい時間です。

最後は、みんなで「越殿楽」を合奏!

そして、この日のクライマックス。子どもたちみんなで「越殿楽」の合奏に挑戦しました。それぞれ思い思いに気に入った楽器を手にして「篳篥」「龍笛」「鉦鼓」による演奏は圧巻です。ほんの短い体験時間にもかかわらず、見事な演奏をした子どもたちの適応能力には驚くばかりです。
今回のサポートメンバーの中には雅楽を始めてまだ4か月という方も居られましたが、それぞれができることを持ち寄り、演奏鑑賞では演奏者として、ワークショップ中はスタッフとして、一人ひとりが大活躍してくれました。
雅楽は、経験年数だけで楽しむものではありません。
始めたばかりでも、誰かのサポートをしながらでも、一緒に音を出して楽しめる。そんな千里らしい時間になったように思います。
15時、ワークショップ終了
15時。楽しい時間はあっという間で、ワークショップ終了です。最後は千里メンバーみんなで参加してくださった皆さんをお見送り。
子どもたちの表情を見ながら、
「今日一日、楽しんでもらえたかな」
「少しでも雅楽を身近に感じてもらえたかな」
と、私たちも嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
今回参加してくれた11名の子どもたちのうち、3名は自分から「参加したい」と希望してくれたそうです。誰かにすすめられたからではなく、自分で「やってみたい」と思ってくれたこと。
それは、私たちにとってとても嬉しいことでした。
千里は全国の仲間と一緒に楽しむ雅楽
今回は、京都、大阪など関西だけでなく愛知や浜松など全国各地からメンバーが集まりました。普段は別々の教室で雅楽を学んでいても、こうして一つの場所に集まれば、みんな雅楽を楽しむ仲間です。
初心者も、経験者も。
始めて間もない人も、長く続けている人も。それぞれができることを持ち寄り、一緒に楽しむ。それが、私たち「雅楽愛好者衆 千里」の大切にしているところです。
今回のワークショップが、参加してくれた子どもたちにとって、雅楽を知る、楽しむ一日となり、そして夏休みの良い思い出の一つになっていたら、私たちにとってこれほど嬉しいことはありません。
ご参加くださった皆さま、そしてこの一日を一緒につくってくださった皆さま、本当にありがとうございました。
あなたも千里で雅楽を始めてみませんか?

雅楽は、特別な人だけが楽しむものではありません。
「音を出してみたい」
「雅楽をもっと知りたい」
「一緒に演奏してみたい」
そんな小さな興味が、雅楽を始めるきっかけになります。
千里には、京都だけでなく全国各地に雅楽を楽しむ仲間がいます。経験の長さも、年齢も、住んでいる場所もさまざま。
まずは一緒に、雅楽の音を楽しんでみませんか?私たちと一緒に、雅楽を楽しみましょう!


